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○○
シュンちゃんママは、外国の王様の血をひいている人だったので、魔法が使えるのかもしれない。
シュンちゃんパパは、その外国の大きな会社で働いている日本の人だった。
そこの宣伝でモデルをした時に、シュンちゃんパパと知り合ったとママがいっていた。
シュンちゃんパパが日本のお店の偉い人になって戻ってくると知って、「日本までおいかけてきたのよ!」とシュンちゃんママは胸を張っていった。
だからなのか、ふたりはよく雑誌とかに出ている人気者なのだそうだ。実際、よくわからないけれど。
その年のキリン組さんからは、ハルくん、ケンタくん、サキちゃん、リサちゃんとシュンちゃん、それからアカネちゃんの、6人も同じ附属小学校に合格した。
卒業式のキングまさこ先生は、鼻がピノキオみたいになって天井を向いて上々機嫌だった。
小学校に上がって1、2年生は、アカネちゃんとリサちゃん、シュンちゃんは同じクラスになった。
クラスは違うけど、ハルくんやケンタくんとは塾が一緒だったのでよく放課後は遊んだ。
アカネちゃんも、茜ママと一緒にお泊まりにくるのは変わらなかったし、シュンちゃん以外はやっぱりアカネちゃんに話しかけるお友達はいなかった。
でもアカネちゃんは、ぜんぜん平気でいつもの最強のアカネちゃんのままだった。
帰り道にしゃがんでいるアカネちゃんがいたので、声をかけたら「シュンたん!ネズミが死んでるよ!」と突然ネズミのシッポをつかんで目の前にぶら下げられた時には、さすがに尻もちをついたシュンちゃんだったけれど。
「やっぱりすごいね、アカネちゃん」
シュンちゃんは、触る勇気なんてこれっぽっちも無かったので悔しいと思った。
ママに似て優しい顔だちで色白のシュンちゃんは、ハルくんやケンタくんのように男らしくなりたいと密かに憧れるようになっていたから。
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