人形遊び

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 ドームのような、広大なプランテーションの上部から眩しい光が降り注いでいる。静けさの中で、人形たちが作業する(かす)かな音が聞こえる。  奥へ進むと、異質な音が聞こえてきた。木々を()けながら音のする方へ近づいてゆく。大きく広がる枝の間から覗き込む。と、そこには、芝生の上に寝かされた人形の開かれた両足の間で、激しく腰を動かす所長の姿があった。  膝を立て足を開いた人形は――  全裸の所長は苦しみ悶えるような、激しい息遣いを漏らし、絶頂へ登り詰めようとしていた。  やがて、所長の動きが止まるその瞬間、背後で振り上げられていたツルハシが頭頂部目がけ振り下ろされる。頭蓋内の脳を粉砕した鈍い先端は、脊椎(せきつい)まで達して止まった。えびぞりに倒れた所長は、ツルハシの柄が地面へ達した衝撃で顔面が破壊され、飛び出した眼球が血管と視神経に吊るされ垂れ下がった。
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