味付け

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 夕飯を終えると、旦那は風呂へ行ってしまった。  いつものルーティーンだ。  へたくそな鼻歌が聞こえてくる。  何度言っても洗面所のドアを閉めてくれなかった。  それを聞きながら、私は少しだけ後悔していた。  もう私になんて興味がないと思っていたけれど、そんなことなかったんだ。  私の味付けを、旦那はちゃんと覚えていてくれた。  それに、今夜もちゃんと出したものを全部食べてくれた。  愛してくれているのかな。  そんな期待が胸に膨らみ、同時に旦那に異物混入飯を完食させてしまったことに罪悪感を感じた。 「ごめんね」  洗い物をしながら、私はふとそんな言葉を口にしていた。
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