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洗い物を終えて水を止める。
ふと、旦那の鼻歌が止まっていることに気が付いた。
私は風呂場へと急いだ。
開けっ放しになっている洗面所に入り、浴室に続くドアの前で立ち止まった。
「あなた」
呼びかけるが、返答はない。
できるだけそっドアを開けて中をのぞく。
立ち込める上記の向こう側に、浴槽の縁に頭を乗せて俯く旦那の姿が見えた。
ゆっくりと上下する肩が、彼の生存を示している。
「寝てるの?」
返事はやはりない。
心臓が高鳴る。
私は一歩、浴室に足を踏み入れた。
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