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早速、おれは王子の伝言を担当者に伝えた。
担当者はネットで王子を調べて
「誰だよこいつ。小泉、冗談でもこういうやつを構っちゃだめだろう?」
「仕方ないですよ。取材で取引を打診されたんで」
「だって、これ、高望みもいいとこだろう」
「本人が”落選の烙印”をほしがっているんで、希望通り社会の現実を教えてあげてください」
「めんどいなー。仕事を増やしやがって」
担当者はブツブツいいながら、王子に”落選メール”を送ってくれた。
(あとは王子が今後の身の振り方を考えればいいさ)
偶然にしても俺は王子と直接対決してしまったな。
でも、こんな茶番は千春に報告するまでもないな。
しかし…、
俺は王子に何かを返し忘れている気がするのだが…
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