見習いキュレーターの健闘と迷いの森 前編

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 私は気を取り直して、話題を戻す。 「『京もっと』は、今のところ、どんな活動をしてるの?」 「まだ始めたばかりで活動てほどのことはしてへんて話やけど、町のゴミ拾いは何度かやってるて。この前も鴨川でゴミ拾いして、みんなでお弁当食べたんやで。あっ、もちろん、ゴミは出さへんで」  地味やろ、と笑う香織に、私は首を横に振る。 「ううん、とても素敵なことだと思う」  鴨川沿いを歩いていると、ゴミを目にして気になることがある。  できる限り拾いたいけれど、なんの用意もなければ、それも難しい。  学生たちが率先してゴミ拾いをする姿は、周囲に良い影響を与えるだろう。  ゴミ拾いならば、気軽に参加できるかもしれない。 「私もお手伝いくらいならできるかな。でも、バイトもあるし……」 「無理のない範囲でええて言うてたよ」  それなら、と私は頷いた。 「幽霊部員になっちゃうかもしれないけど」 「全然、構へん。良かった。葵が一緒やったら、うちも楽しいし」  本当だね、と私は笑顔を返す。  すると香織は、ホッとした表情を見せた。 「良かった、元気そうや」 「えっ、私、元気なかった?」 「最近、ため息ついてること多いし」  ああ、と私は肩をすくめる。  そんなに私はため息ばかりついているだろうか? 「もしかして、ホームズさんと何かあった?」  心配そうに問われて、私は、違う違う、と笑う。 「……ホームズさんのことじゃないよ」  そっか、と香織は表情を緩ませる。  
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