私たちの花

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母は私に耳打ちすると、すぐ後ろにいた秋人ににっこりと笑いかける。 そんな秋人はとびきり甘い笑顔で応えるものだから、母は恥ずかしがってその場からいなくなってしまった。 「秋人、あやめのクリスマスプレゼントを渡しに、わざわざここに?」 私の質問にやや間があったけれど、すぐに秋人は私に微笑みかけた。 「ああ、そうだよ。実はこの前あやめちゃんと電話で話してから、ゴールデンファミリーのおもちゃをクリスマスにプレゼントしようと、用意してた。届けてすぐに帰るつもりだったんだが、結愛のお母さんがせっかくだからと家に上げてくれて」 「そうだったんだ……」 「葛城さんにずっと会いたがっていたからね、あやめも。葛城さんが家に来てくれたよと伝えたら、すごく喜んでいたよ」 あやめを眺めている父は、耳だけはこちらを向いていたようで、私たちの会話に割って入る。 たしかに父の言う通り、あやめは時折『お兄さんに会いたい』と呟くことがあった。 よほど、秋人との電話が楽しかったのだろう。 それとも……秋人には本能的に何かを感じるのかもしれないけれど。 「あやめちゃんと話せて俺も楽しかった。最高のクリスマスプレゼントをもらったよ」
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