千夜くん、倒れるの続き

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ふと見ると、コンビニの袋が置いてある。 腕を伸ばして袋を引き寄せると、中にレトルトの粥が沢山入っているのが見えた。 香澄…。 今朝、言ってた様に本当に買ってきてくれたんだな…。 と、香澄が着替えとタオル、それと体温計を持って戻ってくる。 「あ、お粥、置いてっちゃったのね、私。千夜くん、食欲は有る?」 「ああ、そういや腹減ったな…」 「じゃあ、お粥レンジでチンしてくるわ。あ、後今夜のグループ通話は中止。鈴木くんが『お身体ご自愛下さい』って」 香澄はそう言い、レジ袋と引き換えに体温計を寄越した。 口の中に体温計を咥え、少しして電子音が鳴る。 取り出してみると。 「あ、7度5分だ」 「熱下がってきてるわね。でも、まだ油断はしないで?着替えとタオル、ここに置いておくわね」 そう言うと香澄は俺から体温計を貰い、着替えを枕元に置いて、襖を閉め、出て行った。 俺は汗でピットリ全身にくっついて気持ち悪りーパジャマと下着を脱いで、タオルで汗を拭き取る。 まさかさっきの悪夢、予知夢じゃねーよな…。 だが、先輩はアメリカに行っちまったし、古屋敷の場所は知らねー筈だ。 にしてもリアルな夢だった…。 今も気の所為か、まだケツが痛い。 俺はひと通り汗を拭き取ると、香澄が用意してくれた部屋着に着替えた。
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