13人が本棚に入れています
本棚に追加
休み時間。
あちこちのクラスでも就職や進学が決まった連中は、どこか浮き足立っている。
鈴木と香澄の第2次試験は、これからだ。
そう思うと俺は、そういう連中とつるむ気にはなれなかった。
休み時間、廊下を歩いてると、角の向こうからそんな男子等の声が聞こえてきた。
「もうすぐバレンタインデーか。今年は何個チョコレート貰えるかなぁ」
「千夜とか鈴木とか毎年、校門前で他校の女子達から沢山貰っているよな。羨ましいぜ」
「今年は共学になったから、もっと貰えるんじゃねーの?」
「そういや、あの2人、いつも香澄ちゃんと居るけど、香澄ちゃん、どっちかと付き合ってんのかな?」
「わかんねーけど、仲良いのは確かだよな」
「香澄ちゃんから手作りチョコレート貰いてー!」
やれやれ。
俺は話してる連中に見つからない様に教室に戻った。
鈴木は毎年、ホワイトデーにマシュマロを返してやってるが、俺はそんなの面倒臭くて、やってねー。
香澄がチョコレートの湯煎も満足に出来ねーと知ったら、連中どう思うだろうな。
教室で鈴木の直ぐ後ろ…自分の席に着いたところで、次の授業のチャイムが鳴った。
昼休み。
鈴木と、空いてる椅子を持って来た香澄と昼飯を食う。
と、香澄が小声で言った。
最初のコメントを投稿しよう!