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昼休みのひと時
「千夜くんと暮らす様になってから、毎日、美味しいお弁当を作ってもらえて嬉しいわ」
そう…俺が勘当される前。
今、同居してる古屋敷に香澄は1人で住んでた。
朝飯と夕飯はどうしてたか知らねーが、昼休みには決まって惣菜パンを買って食ってたのを、俺も鈴木も覚えている。
「そりゃどーも。栄養バランスも考えて作ってっから完食しても太りにくいぜ」
「今日のお2人のお弁当は、おにぎりにオムレツ、マカロニサラダに、お肉とお野菜の味噌炒めですか」
「あ、このオムレツ、中にツナが挟んであるわ」
香澄が手で口を押さえて、驚いた様に言った。
「丁度、ツナ缶が沢山あったからな。誰かさんがまだ準備に追われてる間に卵と組み合わせてみたんだ」
「誰かさんって私のこと?」
「あの古屋敷、他に誰か住んでるか?」
「どうせ私はやる事遅いですよーだ」
「諸橋さん。前日の夜までに準備を済ませておけば朝、学園に行く前に慌てずに済みますよ?」
そう言う鈴木も母親に作ってもらったのか、手作り感溢れる弁当を食っている。
「私、低血圧だから朝起きてから朝ご飯食べるまでが辛いのよね」
「スッキリ起きれるように俺が毎朝、キスして起こしてやろうか?」
「んもう!千夜くん、鈴木くんの前でそんな事言わないで!」
「ご馳走様です」
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