昼休みのひと時

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弁当を食い終わった訳じゃなく、俺と香澄のノロケ話に、鈴木はそう言った。 「そういえば、ホワイトデーに何をお返しされるかによって相手の気持ちがわかるって本当?」 「はい、まずキャンディは…」 鈴木が一昨日のグループ通話の時の様に、香澄にも俺と山村に話したことを聞かせた。 「香澄、ホワイトデー、キャンディかマカロンか楽しみにしてろ」 「ありがとう、千夜くん。鈴木くんにも友チョコ当日までに買って渡すからね?」 「ありがとうございます。僕もホワイトデーにはクッキーをお返ししますよ。それまでにはお互い大学に合格しましょうね?」 鈴木は確かT大学の医学部を受験することになっている。 試験日は香澄より後だった筈だから、鈴木も余裕があるんだろ。 最も1年の頃から毎日勉強してる鈴木は受験が迫っても、いつもと変わらないんだろうが。 「そうね。進路も恋愛も上手くいって欲しいわ」 「恋愛なら上手くいってるだろうが」 「今はそうですが、諸橋さんは卒業後の事を言っているのでしょう」 「大丈夫だ、香澄。パティシエになって無事に帰ってくる」 「千夜くん…私、待ってる」 「僕もですよ。おそらく山村先輩も、でしょう」 「あんた等…」 そうだ。 フランスに渡っても日本で香澄等が待っていてくれるなら、どんなに厳しい修行でも耐えてみせると俺は心の中で決意した。
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