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山村先輩のチョコレート作り教室
翌日の2月3日土曜日。
世間では節分だけども私は当初の予定通り、山村先輩の家でチョコレートの作り方を教えてもらうことになっている。
帰りはコンビニのイートインまで千夜くんがバイクで迎えに来てくれる事になった。
私は一昨日、お粥を買い過ぎてお金が殆ど残っていなかった。
だから、山村先輩が昨夜のグループ通話で材料と道具全て出してくれるって言ってくれた時は正直助かったと思った。
コンビニに入る。
イートインにはまだ山村先輩の姿が見えない。
私は山村先輩が直ぐに気付く様に、コンビニの出入り口付近で雑誌を立ち読みしていた。
千夜くんも読んでいたスイーツ雑誌…どれも美味しそう!
やがて…。
「香澄ちゃん!お待たせ!」
山村先輩の声が後ろから聞こえて、私は雑誌をしまって振り返る。
山村先輩は黄色いジャンパーに下は、紺色のジーンズだった。
息を弾ませていて、急いで来てくれた事が解る。
私は軽く頭を下げて言った。
「山村先輩。今日はわざわざありがとう」
「ううん!僕も楽しみにしてたんだー。さあ、行こう!」
片腕を挙げてコンビニを出る山村先輩に続いて、私もコンビニを後にした。
2人でしばらく閑静な住宅地を歩いて行くと、一際大きな門と庭の木々、その奥に立派な家が見えてきた。
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