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きっと凄いお金持ちの人が住んでいるんだろうなぁ…。
「ここだよ!」
「えっ?!」
山村先輩が、その大きな門の前まで来たところで腕を伸ばして門を指差しながら、そう言った。
だから失礼だけど、私はビックリして声まで出してしまった。
山村先輩、良いところのお坊ちゃんだったんだ…。
山村先輩はインターホンを押す。
と、よほど広い家なのか、しばらく待ってから中年の女性の声が聞こえてきた。
『はい』
「ママー。香澄ちゃん、連れてきたよう」
『ちょっと待って。今、開錠ボタンを押すわ』
女性…山村先輩のお母様がインターホンを切って直ぐに自動的に門が左右にゆっくり開いていく。
千夜くんの前住んでいた所もそうだったけど、山村先輩のお宅は更に、庭には葉をなくした木々が玄関までの通路の様に、左右に植えられていた。
春になったらきっと綺麗な葉っぱが生い茂るんだろうなぁ。
「木で出来た道みたいね。凄い所に住んでいるのね、山村先輩」
「ありがとー、香澄ちゃん。今日はパパとママも家にいるけど、キッチンまでは来ないと思うからリラックスしてね♪」
確かに今はまだご飯を作る様な時間じゃない。
でも、挨拶位はした方が良いんじゃないかな。
そう思いながら歩いて行くと、大きな玄関のドアの前まで来た。
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