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と、玄関のドアが丁度開いて、中から山村先輩に面影が似た中年の女性が出迎えてくれた。
「貴女が凌のお友達の諸橋香澄さん?」
「は、はい!初めまして。山村先輩…凌さんにはいつもお世話になっています!」
「香澄ちゃんにバレンタインデーのチョコレートの作り方を教えてあげるんだー」
そうこう言いながら、中にお邪魔させてもらう。
と、豪邸の様な造りに私はますますビックリした。
外から見るより更に広い気がする。
「ゆっくりしていってね。凌はおっちょこちょいなところがあるから大変でしょう?」
「い、いえ!凌さんは、とても良い人です!」
「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。これからも凌と仲良くしてあげてね」
そう言うと山村先輩のお母様は私達(といっても山村先輩は知っている筈だけど)は、キッチンまで案内してくれた。
「ママ、酷いよう!僕、おっちょこちょいなんかじゃないよう」
「あらそう?この間、忘れ物したのどこの誰だったかしら」
「ゔっ…」
図星だったのか、言葉を詰まらせる山村先輩にお母様はにっこりと笑う。
「それじゃあ、私とお父さんはリビングにいるから、何かあったらいらっしゃい」
「ありがとうございます」
「ママー、ありがとー」
お母様は広いキッチンを出て行った。
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