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キッチンの設備も凄かった。
IHのコンロが3つもあるし、オーブンレンジに両開きの大きな冷蔵庫もある。
「じゃあ、ジャンパー…香澄ちゃんはコートか、それ脱いだら始めよっか!」
「コートはどこに置いておけば良い?」
「キッチンチェアの上で良いよう。僕、普段から使ってないし」
山村先輩は、いつもこんなに最先端な環境で料理をしているのね。
それに比べて私の古屋敷の台所は…何だか千夜くんに対して申し訳なく思えてくる。
山村先輩は私がそんな事を思っているとは全然気付いていない様子で着ていたジャンパーを脱いで手を洗っている。
私もコートを脱いで、山村先輩の次に手を洗わせてもらった。
「板チョコ、ウチ沢山あるから、ここで作ったのを保に贈ってあげなよー」
「それは嬉しいけど、良いの?山村先輩」
「うん!その方が保に秘密のチョコレートが作れるでしょ?」
「秘密?」
「うん!例えば、保の好きなマカダミアナッツをチョコレートの中に入れるとか」
マカダミアナッツは確かに千夜くん好きみたいだけど、そんな高いナッツが家に置いてある山村先輩にも驚きだわ。
でも…確かに、ただ、板チョコレートを溶かして型に流したチョコレートより、サプライズ要素があって良いかもしれない。
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