13人が本棚に入れています
本棚に追加
私は山村先輩のアイデアを取り入れる事にした。
「良いわね、そうさせてもらうわ」
「決まりだね!マカダミアナッツは確かこの戸棚の中に…」
山村先輩は、つま先立ちになって、台所の上の戸棚に手を伸ばすけど、届かない。
私が取ってあげたいけど、身長が私も山村先輩も殆ど同じだから、やっぱり届かない。
そうだわ!
「山村先輩、さっきコートを掛けてもらったキッチンチェアがあるじゃない?あの上に乗って取る事が出来ないかしら?」
「良いけど、危ないから、僕が乗るよう。香澄ちゃんは椅子が動かない様に下で押さえてて?」
山村先輩に言われて、私はコートとジャンパーを一旦、流し台の上に置く。
そして、キッチンチェアを運ぼうとしたら山村先輩に止められた。
「香澄ちゃんは女の子だから、僕が運ぶよう」
そう言って山村先輩は、両手でキッチンチェアを持って、戸棚の下まで持って行く。
山村先輩も、やっぱり男の子なんだなぁ。
そう思いながら、キッチンチェアを両手でしっかり押さえると、山村先輩がスリッパを脱いで椅子の上に乗った。
「大丈夫?怖くない?」
「香澄ちゃんが押さえててくれるから大丈夫だよう。…あ、あった」
山村先輩は、戸棚からナッツの入った袋を手に取る。
と、キッチンチェアから降りようとしてバランスを崩した!
最初のコメントを投稿しよう!