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「うわっ?!」
「山村先輩っ?!」
私は上から落ちてきた山村先輩に押し倒される形になる。
「あ!ご、ごめん!」
「だ、大丈夫…」
山村先輩の袋を掴んでいない方の手が私の胸に当たっている。
千夜くんにも触られた事無いのに…。
「うわっ!ごめん!」
「う、うん…」
山村先輩は直ぐに上から退いてくれたけど、私は胸がドキドキしていた。
そのまま身体を起こす。
「女の子の身体って、柔らかいんだね…」
「や、山村先輩…。恥ずかしい事、言わないで…」
山村先輩は耳まで顔が真っ赤になっていたけれど、私も顔に熱が籠るのを感じていた。
「ごめんね…僕、女の子の胸って触った事なかったから、つい…」
山村先輩は袋を片手で握り締めたまま、弁解するように小さな声で言ったけど、その言葉を聞いて私は益々恥ずかしくなる。
「も、もう良いから…!今のは事故だし、お互いなかった事にして、チョコレート作りましょう?!」
私は両手を胸の前で振りながらも、気持ちを切り替えてチョコレート作りを教えてもらおうと、そう言った。
「う、うん…。香澄ちゃん…」
「な、なあに?」
「この事、保には秘密にしてね…?」
「も、勿論よ!もう忘れましょう!?」
「う、うん…!」
それから山村先輩は、本当に気を取り直したようだったから、私も平常心を心掛けた。
だけど…。
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