山村先輩の思いとチョコレートの完成

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これで手作りチョコレートは…。 「「完成!!」」 私と山村先輩は頭の上で、両手でハイタッチした。 殆ど山村先輩が作ってくれた様な気もするけど…私も湯煎を頑張ったしね! 山村先輩は、ラッピングされた手作りチョコレートを赤い紙バッグに入れると私に「はい」と渡してくれた。 「ありがとう、山村先輩。これで無事に千夜くんにチョコレート渡せそうだわ」 「何なら途中まで送っていこうかー?」 「ううん。まだ陽も高いし、コンビニまで千夜くんが迎えに来てくれるから平気」 山村先輩は一瞬、表情を翳らせたけど、次の瞬間にはいつもの笑顔に戻っていた。 「じゃあ玄関まで送っていくー。気を付けて帰ってね!」 「山村先輩、ありがとう」 私は紙バッグを手に、山村先輩に連れられる形で玄関まで案内された。 あまりの広さに1回通っただけじゃ道を覚えられないのと一緒ね。 玄関で靴を履くと、山村先輩のお母様が出て来た。 「あら、もう帰るの?香澄さん。…凌、夕食ご馳走してあげたら?」 「い、いえ!そんな悪いです!」 「香澄ちゃんには大事な人が夕ご飯作ってくれるから大丈夫だよー」 山村先輩のお母様は少し驚いた様だったけれど、「又、遊びに来てね」と、山村先輩と一緒に手を振って笑顔で見送ってくれた。
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