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香澄…。
俺は一昨日、目を覚ました時に香澄が涙を流しながら俺の手を握り締めてたのを今でも覚えている。
俺は香澄に十分、救われている。
それを伝えてやりたかったが、そしたら日記を読んだのがバレちまう。
俺は本棚に他の本や雑誌と同じ様にノートもしまうと、片付けの続きに取り掛かった。
冬至が過ぎて陽が少しずつ長くなってきてるとはいえ、俺は夕方コンビニに向かってバイクを走らせた。
香澄に早く逢いたい。
あの日記を読んでから、俺の中で香澄は益々大きくて大切な存在になった。
コンビニ前でバイクを停め、中に入る。
ざっと中を見渡してみるが、香澄の姿はない。
どうやら早く来過ぎた様だ。
俺はイートインで、あったけー飲みもんでも飲もうとホットコーヒーを買って待つことにした。
直ぐ隣の席の女共は雑誌を見ながら何やら喋っている。
「これなんか可愛くない?!」
「ホントだ!可愛いー。でも、今年は手作りチョコレートに挑戦しようかなぁ」
「抜け駆けずるいー。私はこれにしようかな」
どうやら、バレンタインデーでソワソワしてるのは野郎共だけじゃないらしい。
その時、香澄がコンビニに入ってきた。
イートインを見て、俺と目が合うと嬉しそうに笑顔で手を振りながら、こっちへ来る。
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