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香澄、友チョコで困る
香澄は香澄で隣の布団の中で気持ち良さげな寝息を立てている。
受験が迫っているとはいえ、せっかくの休日だ。
俺は香澄を起こさねー様に気をつけて布団を出ると、素早く部屋着に着替えた。
今日のブランチは何にすっかなと台所にある冷蔵庫を見て考えていると、不意にチャイムが鳴った。
来客の予定はねー。
一体どこのどいつだと思って玄関にあたるすりガラスの所まで行くと、確かに人影が映っている。
俺はちと声にドスを効かせた。
「何者だ?」
『現金書留でーす!』
…何だ。
外から聞こえてきた声に、俺は一気に脱力すると玄関の引き戸を開けた。
「済みません。こちらサインか印鑑お願いします」
俺は香澄の印鑑が何処に在るのか知らなかったので、郵便局員からボールペンを受け取ると、指定された所にサインした。
「ありがとうございましたー」
そう言って去って行く郵便局員が居なくなると、俺は玄関の引き戸を閉める。
と、騒ぎに起きちまったのか、半纏をパジャマの上から着た香澄が寝室の襖を開けた。
「千夜くん、おはよう。誰か来ていたの?」
「ああ。香澄宛ての現金書留が届いたぜ」
俺がそう言い、持ってた封筒を香澄に渡す。
「あ、お母さんからだわ。仕送りが届いたみたい」
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