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男だらけのグループ通話
「香澄。風呂に先に入ってこいよ。熱かったら水で埋めて良いからよ」
「えっ?どうして?」
香澄の邪気が無い表情に、俺は本当の事が言えなかった。
「…いや、山村にも礼の1つでも電話で言っとこうかと思ってよ。近況報告も、ついでにしてーし」
「山村先輩とは頻繁に会えないものね。わかったわ。じゃあ、先にお風呂に入らせてもらうわね」
香澄は何の疑いも持たずにタオルと衣類を抱えると風呂場の方へ去って行った。
さて、山村は後日絞める事に決定だ。
俺は携帯を取り出すと、山村に電話をかけた。
すると…。
『はい、グループ通話です』
『わーい!保の方から僕の携帯に電話してくれたー!あ、チョコありがと!…って、香澄ちゃんは?』
山村、鈴木と通話中だったのか。
まあいい、構うものか。
俺の期待を裏切りやがって。
「香澄は今、風呂だ」
『仲直りは出来たんですか?』
「ああ」
『仲直りってー?』
「あんたには関係ねー。…山村、俺へのチョコに俺の嫌いな落花生と塩を入れただろ?香澄は騙せても俺は騙されねーぞ」
『えー?何のことー?』
『僕が頂いた友チョコもラッピングからして手作り感が溢れてましたが、チョコレートは美味しかったですよ?』
『僕も香澄ちゃんからの友チョコ食べたよう。美味しかったー。ありがとって言っておいてー』
友チョコレートは、中身は市販のだから美味くて当たり前だ。
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