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香澄がマカダミアナッツと落花生を間違える筈が無い。
そして、香澄が砂糖と塩を間違えるなんてベタな間違いをする筈が無い。
と、なると、一連の間違いを犯したのは、山村以外、考えられねー。
「ありがとーだと?俺に何か恨みでもあんのか?不味いチョコ食わせやがって。香澄をガッカリさせねー様にコッチは必死で飲み込んだんだぞ!」
『僕、間違った作り方してないよう』
『山村先輩が料理やお菓子作りで間違えることはないでしょう』
「じゃあ、香澄が間違えたとでも言いてーのか?じゃなけりゃーワザとか?!」
『僕、保に意地悪しないよう』
『僕もそう思います。千夜くん、山村先輩が如何に貴方を慕っているか知らない訳じゃないでしょう?』
「じゃあ、何で食えたもんじゃねーチョコを香澄に持たせた?俺はあんたに手伝ってもらったって香澄から聞いて期待してたんだぞ!」
『だから、わかんないよう』
『謎ですね…。山村先輩も諸橋さんも間違えていないのに、どうしてそんなチョコレートが出来たのか?』
「知るか!」
『保ー…、僕が香澄ちゃんの胸を触ったから怒ってるのー?』
「何だと?」
山村の言葉の内容に、俺の声のトーンが一気に下がる。
『うわーん!保の声が怖いよう!』
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