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千夜くん、倒れる
翌朝の2月1日木曜日。
何か身体の調子が悪い。
昨夜、風呂上がりに台所掃除して、湯冷めしたか?
そう思って俺は、香澄が寝てる布団の隣に敷いた、自分の布団から出ようとして、めまいを起こし、派手に転んだ。
俺は香澄の布団の上に倒れる形になる。
「…うーん…お、重い…。千夜くん、助けて…」
香澄は香澄で寝ぼけてて、そんな事を言っている。
「か、香澄…」
俺の声は自分でも驚くほど掠れていた。
その声が聞こえたのか、香澄は上体をモゾモゾと起こす。
「千夜くん…?朝からどうしたの?大丈夫?」
「残念だが、あんま大丈夫じゃねー…」
起きあがろうとするが、身体が重く感じ出来ねー。
香澄は自分の枕元にある半纏を羽織ると俺の額に手を当てた。
「ちょっ…凄い熱い!熱、計ってみましょ?!体温計持って来るから、これでも被っていて!」
香澄はそう言うと、俺の掛け布団を俺の上に被せて、寝室を出て行った。
俺は掛け布団ごと這う様にして、自分の布団に戻る。
あー、身体全体がだりー。
少しすると体温計を持った香澄が戻ってきた。
「千夜くん、口開けて」
俺が言われた通りに口を開けると、香澄が体温計を中に入れる。
体温計を咥えて少しするとピピピピ!ピピピピ!と電子音が鳴った。
香澄が俺の口から体温計を取り出す。
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