あの日

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あの日

 あの日、僕は君を抱えたままで言った。 「君を守りたいんだ。  すべてから。  何もかもから。  僕からも、守りたいんだ。」  君は泣き出した。  あの時、僕は自分がとても誇らしかった。  まるで五歳児みたいに胸を張った。  男に生まれたという長い絶望から、  救われたんだ。
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