ある夜

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ある夜

 ある夜、帰宅したら、君はソファーで丸くなって眠っていた。  可愛いなと思って、傍らに膝を着いて、卵を抱えるように片腕をまわした。  そしたら……  君は寝ぼけながら僕の腕にすり寄って、そのまままた眠ったんだ。  あの時、僕は僕のなかにとても甘い優しさを覚えた。  君の安らかな寝息と共にそれは全身を満たしていったよ。  その後1人で処理した孤独さえ、甘かった。  僕は  男の悦びを超えて、  人間として幸せになれる。  そう確信した。
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