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突然開いた玄関ドアに驚いて近づいていくと、そこには伊吹が立っていた。
昨日と同じスーツ姿だけれど服も髪もボロボロに汚れている。
顔にはあちこちに血がついていた。
「ちょっと、大丈夫!?」
駆け寄ると伊吹が「あぁ……」とだけ返事をした。
体はふらついているし、明らかに重症だ。
「き、救急車」
慌てる夏波の腕を息吹きが掴む。
「そんなものは必要ない。なにか食べ物をくれ」
「わ、わかった!」
そう答えてキッチンへ向かうものの、冷蔵庫の中にはほとんどなにもないことがわかっている。
夏波は戸棚を開けてパスタ麺を取り出した。
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