アロマ

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アロマ

伊吹が寝室から出てきたのはそれから3時間ほどしてからだった。 昨日一晩眠っていないのだからまだ眠っていればいいのにと思ったが、どうやら仕事で呼び出されたらしい。 慌ただしく出ていく後ろ姿を見送って、ヤクザも大変な仕事なんだなぁと変に関心してしまった。 でも、睡眠時間が3時間しかないというのは問題だ。 あれだけ傷だらけだと寝ようにも寝付けないかもしれない。 「そんなときには私の出番よね」 夏波はそう呟くと鞄を開いた。 伊吹が鞄ごと取り上げなくてよかった。 そう思いながら仕事で使う道具を取り出していく。 プラスチックの頑丈な箱を開けると、そこには沢山の小瓶が入っている。
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