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「ネイマールは退学になったアークと入れ違いに入学し、卒業後アークの後を追って討伐部隊に入隊したのだ。そして2年前、アークとネイマールが所属する部隊が魔物に襲われ壊滅状態になった。ネイマールもひどい損傷だったと聞くが、アークは帰還後すぐに亡くなった。その時に落とし穴の事でも聞いたのだろう。兄の悪戯の後始末をしにわざわざ講師にまでなるとは……」
「いえ。違います。ネイマール先生は後始末に来たのではありません。きっと宝探しに来たのです」
何か考えがあるのかユーナがあっさり暴露し、魔力の白い結晶を見せて全てを話した。
おいおい、秘密だったのでは!?
咄嗟にイルジュ先生を味方につけようとしたのだろうか。
いや何故、よりによってイルジュ先生を……。
「信じられんな。もし魔力が存在するなら、私が知らないはずはない」
イルジュ先生と一瞬目が合い、ふんっと失笑され目を逸らされた。
「私はこの学校のトップ、学校長の息子だからな。もしそんな素晴らしい魔力がこの敷地内に眠っているのなら、既に学校創立者の曾祖父が使っている」
は?イルジュ先生が学校長の息子!?まさか次期学校長!?
イルジュ先生は驚く俺を再び睨み、ため息をついて頭をボリボリかく。
「私はお前…ソルトと同様魔力をほとんど持たないのだ」
散々俺に悪態をついていたイルジュ先生が、とんでもない告白をした。
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