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二人がお風呂から上がって三人一緒に夕食を食べていると、神楽がとんでも無い事を言い出した。
「ねえ、パパ、ママ。オレ、妹か弟がほしい!」
『え!?』
何を思ったのか、急に「妹か弟が欲しい」なんて言葉が出て来た事で、思わず百瀬くんと顔を見合せながら問い返した。
「どうしたんだよ、急に」
「そうだよ、どうしてそんな事を言うの?」
「だってさぁ、ユウトくんもタカシくんもリクくんも、みんな弟か妹がいるんだよ? 話きいてたらいいなって……いっしょにあそんだりできて、楽しそうだし……」
神楽の仲良しのお友達には兄弟がいるから、どうやらそれが羨ましいらしい。
今までそんな事を言ってはこなかったのに何でだろうとは思うけど、やっぱり神楽にとっては一人っ子よりも兄弟が居た方が良いのかもしれない。
ただ私は妹に良い印象も思い出も無かったし、百瀬くんは一人っ子だった事もあって、焦って二人目を考えたりはしていなかったから、自然に授かればいいかな程度に思っていただけ。
でも、神楽が望むのであれば、そろそろ真剣に考えるべきなのかもしれない。
「そっか、そうだな。神楽が良い子にしてたら、そのうち出来るかもしれないな?」
「ホント?」
「ああ。けどな、今すぐにっていうのは無理なんだ。それは分かってくれるか?」
「……うん、わかった。オレ、いい子にする! べんきょうもするし、ママのてつだいもたくさんするよ!」
「そうか、偉いな、神楽は」
とりあえず、この場は百瀬くんのおかげで何とか神楽を納得させる事が出来て私はホッと胸を撫で下ろしていた。
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