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「次は…ここですね」
ジャーナリストの残した秘蔵写真、その実態を調査して4件目の建物に到着した出雲と吉野。
数でこそは少ないが、中々難のある調査だ。特徴も何もない建物の写真、基本どこにでもある普通の一軒家ばかり。地域課が目星をつけてくれたと言えど、実際は微かな差異がある建物もあった。
そもそも、本当に普通過ぎて疑わしい。近隣住民に付近で発生した犯罪の注意喚起と称して聞込みを行ったが、家主も普通の家族。
住宅街だけあって、必ず面識のある近隣住民はいて、疑わしい人物はいない。それが逆に怪しく、中々次に進めれずにいた。
「那須…さん、ね。」
4件目の調査対象。ここも住宅街にある、二階建ての一軒家。どこにでもいそうな家族が住んでそうな感があり、表札の名を呟きながら玄関に立つ出雲。
すると、今までとは違い、吉野が何やら落ち着かない様子。
「あれぇ…ん〜…んん?」
険しい顔で正面から家を眺め、かと思えば別方向から眺めたりと、何かを感じ取っている様子。
「どうしたんすか?」
「いや、ん〜。何かおかしいんですよねぇ…」
「何かって…なんすか?」
「いや、それが…ん〜、わからなくてぇ…」
煮え切らない答えに自分自身も頭を悩ます吉野は、これまでと同じようにチャイムを押す。しかし、反応はない。家主がいない、それだけでは不審な点にはならない事はもうわかっている。
何の意図もなく、ただ無意識にドアノブを掴んだのだろう。一応引いてみた。
すると、施錠されておらず、普通に玄関が開いた。
「…」
「…」
開けたドアから見える、玄関を凝視しながら数秒の沈黙が訪れた。
その後
「え、ちょちょちょちょっ?!」
平然と吉野が中に入っていき、悲鳴のような声が出雲から飛び出た。
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