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――――「もしもし、未来さん? 今着きます」
「ありがとうございます」
男の人の名前は菱田白虎というらしい。
お見合いの日から二週間。
約束通り猫カフェに連れて行ってくれるという菱田さんは車を用意してくれた。
「お待たせしました」
「いえ」
どうやらこんな田舎町ではなく、札幌の方に出向くらしい。
そりゃそうか。こんな田舎に猫カフェなんかないか。
しかし私としたことが。
まさか初の猫カフェにデートで行くことになるとは。
デート……だよね? お見合いをした男女二人のお出掛けだもんね? デート……だよね、うん。
はあ。ハク、ごめんなさい。
これは断じて浮気ではありません。
私はハク一筋です。
と、未来はハクの写真を見つめ、ちゅっと口づけをする。
それを横目で見る菱田は微かに微笑む。
隣に菱田がいることを忘れていた未来は顔を赤らめ、静かに写真をポケットに閉まった。
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