エピソード

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 車で二時間半。  ようやくお目当ての猫カフェに着いた未来と菱田。  車を降りるとき未来のスマホが鳴ったが、未来は内容を見ずにパッとスマホをしまう。 「いらっしゃいませ。あ、お疲れ様です」 「今日は客だから、普段通りでお願いしたいな。それより、あの子は?」 「分かりました。あの子もちゃんといますよ。もう出しますか?」 「うん。お願いします」 「はい。少々お待ちください」  店員と親し気に喋る菱田。  一方未来は扉の前から動けないでいた。 「そんな緊張しないでください。あ、ドリンク何が良いですか?」 「へ?! あっ、じゃあ、あの、ホットコーヒーで……」 「了解っ」  やばい。やばいやばい。  猫カフェってこんなに開放的なんだ。  ペットショップの猫限定版かと思ってた……  壁、ないじゃん。ガラス、ないじゃん。触り放題じゃん!!!  というか菱田さん慣れてるぽいけど、よく来るのかな……?  意外とこういうの好きだったりするんだろうか。 「未来さん。こっち」 「アッ、はい!」
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