3人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
一目見ただけではその魅力には気付けない。
知り続けるからこそ彼の魅力が分かる、とはよく言ったものだ。
無口で愛想もなくて、女の子の扱いだって上手くない。
こんな奴のどこがいいんだか。って思っても周りの人は言うんだ。
あー、マジかっこいい。天使。神様はいたんだ。死ぬ。
って。
当時の私は、死ぬって何? 死ぬわけないじゃん。って思っていた。
かっこよすぎて死ぬってどういうことだろう。
心臓の動きが早くなりすぎて、息絶え絶えになって、酸素不足になるってこと?
分からない。何が良いのか分からない。
だって一生会えないのに。
会えたとしても、会話することも、触れることも、絶対に出来ない。
どんなにお金を積んだって叶わないんだ。
だけど、それでも何故かお金を落としてしまう。
――――それが”推し”。
最初のコメントを投稿しよう!