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十数年が過ぎた女子日本代表の試合。成長した秀才くんはチームのメディカルスタッフとして帯同していた。
もう試合が始まる。そこにジャパンブルーの背番号10の選手が現れる。歓声に包まれるけど向かうのは彼の元。エースちゃんも夢を叶えてた。
二人のことはもう観客たちも知っている。数日前にあの日黒板の前で宣言した告白と同じことを語ったから。
「なんだか、あの小学校の引退試合を思い出すね」
「そーでしょ。私もそう思ってたんだよ」
あのころと二人は一緒。笑いあって話している。
「もう背負わすなんてことの無いように」
彼だってもう、彼女の顔を真っ直ぐに見ていた。
「なるほどその手もあったのか」
だけど彼女は昔と全く一緒の笑顔を送る。
「嘯くなよ」
軽い冗談なのはわかっているから背を叩く。走って向かう笑顔は声援に包まれる。愛をこんな綴り歩いてる。
おわり
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