そして7月

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 家に帰って唯と2人で 「ねー唯?」 「あー…あー」  唯の視線はくるくると軽快な音楽が流れながらゆっくり回るカラフルなメリー見ているが、気にせず続ける。 「今日はあとでおかゆ食べてみようね?トロトロなやつ」 「あー…ぶー!」 「あき、どこいったんだろうねー?」  そんな話をしていると、ガチャっとリビングのドアが開いて暁人が入ってきた。 「あ、おかえりなさい」 「うん、ただいま」  近づいてきて、私が抱っこしていた唯の小さい手を握って 「唯も、ただいま」 「あー?」  キッチンに向かいながら声を掛ける。 「離乳食あげてみる?」 「うん。ビデオ買ってきた。ビデオカメラ」 「なんと……」 「必要だろ?これから色んな始めてを記録していきたい」 暁人が紙袋を差し出して嬉しそうに笑った。 「唯ー?おいしいかー?」  ひと匙のお粥を「なんじゃこりゃ」と顔をクチャっとゆがませてまずそうに食べた唯の表情はブサ可愛くて隣でカメラを回しながらお腹を抱えて笑った。 「全然美味しそうな顔してないねぇ、唯」 「そりゃこんなん美味しくないよな。一緒にママのご飯食べられる日が楽しみだ、な、唯」  暁人が抱き上げてると唯はキャッキャと喜んで手を叩いた。 「うわーあんなに新米感あったのに、今ではすっかりしっかり"パパ"ですね。板についてる」 「うん、いいね。パパだよー唯ー」 「パパだよー」  ふっと、暁人が唯に顔を埋めるように抱きしめた。
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