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倦怠期ってやつなのか会話もそこそこにディナーを楽しむ。
会話の中心には栗原がいて、これはいつものこと。
「ゴメン、なんか私グチってる」
「いいよ、いつものことじゃん」
苦笑いするトウゴに私は複雑な思いを抱えていた。
私もワガママなのかな?もっとトウゴにヤキモチを焼いてほしい。なんか私に興味がないみたいで不安になる。
「そろそろさ、同居しない?」
不安が募るあまり私はつい同棲を切り出してしまった。
本当はもっとトウゴと一緒にいたい、好きなのはトウゴだから。
「なんで?今のままでまだ良くない?」
「だってもういい年だし、私だって結婚とか意識するし、子どもだって欲しいよ。周りの友だちはしてる子もいるしさ」
「少し、考えさせてほしい」
私はトウゴの言葉にガッカリした。
答えはイエスしかないって思っていたから。トウゴも同じ気持ちだと思っていたから。
これじゃ独りよがりみたい、寂しいよ。
途端に料理の味がしなくなった。
それからのことはあまり覚えていない。
トウゴに拒否されたことがショックだったから。
「なに?新しい子見つかった?」
「だから、私はあんたの女の子斡旋係じゃないっつーの」
気づけば、栗原の部屋に来てしまった。
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