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栗原は私が栗原を好きだったことに気付いてる。
恋愛感情に敏感な男だから、私の気持ちに気付かないワケがない。
「ずっとよ。大学の時からずっといつも側に居てくれたトウゴが好きなのっ」
「そっか、そんなの知ってるよ。そんなの知ってる、嫌でもわかった。なんでかなぁ、美波の気持ちだけはわかんない。いつもさぁ。なんで俺と同棲したの?遊び?俺の気持ち知ってたんじゃねーの?」
そこで私はハッとした。
オレノキモチシッテタンジャネーノ?
意味がわからなかった。
オレノキモチってなに?
女なら誰でもいいんじゃないの?
「私はアンタの気持ちがいつもわかんないっ。大学の時からフラフラしてて、捕まえようとしたら逃げて。軽い男ならなんで乱暴にシてくれないの?優しくしないでよ、勘違いする」
泣いてた。
わけわかんないけど、泣いていた。
ホントはさ、大学の時からーー。
栗原の温度のない絵に惹かれていた。
その絵を描く栗原にも惹かれていた。
栗原に私を描いて欲しかった。
栗原の目には私がどう映るのか知りたかった。
スキ、だった。
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