Ep1−1 吸血令嬢と一日の始まり

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Ep1−1 吸血令嬢と一日の始まり

 朝日の光を感じて目を覚ます。目を擦りながらベッドから降りて窓を開けると、爽やかな風が部屋の中に吹き込み鳥達が歌い出す。窓から景色を見下ろすと歴史ある石造りの建物が立ち並ぶ駅前の繁華街、別名を旧都と呼ばれるオーランドストリートが見下ろせる。今は人通りはまばらだが、もう少しもすればここのところ増え始めた会社やら何やらへの通勤や騎士学校なり魔法学校なりへの通学のために列車に乗らんとする者や遠方から観光に来た者に旅芸人や靴磨きの坊やなど様々な人間で溢れ返るだろう。いや、人間以外もいるのかもしれないが。何故かって?なに、かく言う私ことレヴィア・ノワールもただの酔狂者の貴族で名は通っているが人にあらざる者だからだ。もう少ししばらく外の様子を見ていたいが体質のせいか朝日は苦手だ。肌が荒れる。私が嘆息して窓を閉じると部屋の扉を三度ノックする音が聞こえた。どうやらようやく来たようだ。
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