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バスを降りてマンションまでの帰り道。
――うん?
誰かに見られている。
視線を感じたのだ。
人の視線は誰でもある程度感じるものだが、私は昔からそれに人一倍敏感だった。
少し離れたところで、かすかな足音がしたような気もした。
この道は人であふれているわけではないが、全く人通りがないわけでもない。
だから私の後ろを誰かが歩いていても不思議ではないのだが。
立ち止まり振り返る。誰もいない。
ただ電柱など、人が隠れることができるものもある。
なにせさっきまで足音がしていたのだから。
そのわずかな足音がいまは消えている。
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