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〈使用方法
寝る前に薬を3滴、ホットミルクに混ぜて服用してください。〉
使い方は簡単だった。
注意点は、1日に1回しか使わないことと、3滴以上服用しないこと、コーヒーには混ぜないことの3点のみである。
購入したその晩、羅夢は早速ホットミルクに〈夢見薬〉を混ぜて飲んだ。
〈夢見薬〉はキラキラとした虹色の液体だったが、ホットミルクに混ぜても色に変化はなく、風味も変わらなかった。
ホットミルクを飲み干す頃には猛烈な眠気に襲われ、羅夢はベッドに倒れこむや否や眠りに引きずり込まれていった。
ー
「俺の言うことが聞けない?」
羅夢は、甘い声に問われて我に返る。顔を上げると、ブレザーの制服に身を包んだ伊集院レオが黒板を背に立っている。
「えっ」
「俺の恋人になれって言ってんだけど?」
羅夢は自分の格好を見下ろす。レオと同じ制服を身にまとっている。
自身の顔は見えないが、レオの顔はゲームで見たのとそっくり同じだ。
「な、なります…!ならせてください!」
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