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〈夢見薬〉を購入してから1週間。
羅夢はふと気づく。
3滴しか入れないから足りないのだと。
「ふふ。…ふふふ」
瓶の中にまだ半分以上残っていた〈夢見薬〉を直接口に流し込み、羅夢は笑い声を漏らした。
ホットミルクで希釈せず、たっぷりの薬を飲めばレオともっと一緒にいられるに違いない……確信しながら、彼女は眠りにつく。
レオと夢の中でデートして、翌朝目を覚ます。
ベッドの傍らには、夢にまで見た最愛の推しことレオの姿があった。
(ほらね)
羅夢は彼に向かって微笑む。思った通りよと心の中で呟いて「ずっと会いたかった」とレオに話しかけた。
彼は、羅夢が望んだ通りに笑みを浮かべ「俺もだよ」と羅夢が望んだ言葉を口にする。
(幸せ。私今、とても幸せ)
羅夢は喜びを噛み締めながら、レオとどこへ行き何をするかイメージを膨らませるのだった。
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