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an animation film
女の子がいた。
女の子はある男の子が好きだった。
女の子はその男の子が欲しかった。
別の女の子がいた。
仮にその子を少女としよう。少女は女の子と親友だった。少女は女の子よりもお姉さんだった。
少女は女の子がある男の子のことを好きだと知らなかった。
女の子は少女に言った。
「あのオマジナイ知ってる?」
少女は女の子に言った。
「知ってる!」
そして、女の子はこう言ったのだ。
「じゃあさ、××××××?」
少女は頷いた。
女の子と少女は星を隠した。
女の子は二本の大事なものを箱に仕舞い、何処かへ隠した。
彼女は見つからないよう、二本をそれぞれ別の場所へと隠したのである。
女の子はなんでもないように大事なものを自分から切り離した。そして、笑いながらこう言うのだ。
「×××××××!」
狂ったカセットテープのように何度も何度も繰り返し言いながら、女の子は箱に入れたそれを隠した。
女の子は笑っていた。
女の子は笑っていた。
女の子は
少女は亡くなった三匹のペットたちの遺品を隠そうとした。隠そうとしたが、少女は迷った。
願い事よりも遺品の方が少女にとって大事だったのだ。亡きペットたちの遺品を少女は片時も放したくなかった。
それに、おまじないをすることは単純に女の子との付き合いであった。少女自身には叶えたい願いはなかったのである。
少女は迷った。そうしているうちに時間だけが経ってしまった。
少女は女の子が気づく前に遺品ではない適当なものを隠した。
そして、女の子と少女は罰せられた。
そのおまじないはしてはならないものだったのだ。
学校の教官によって罰せられた女の子は監禁された。少女はおまじないの形だけをしたため、厳重注意で終わった。
少女の隠したものは少女が自ら回収した。こんなもの意味がない。彼女はそう思った。
しかし、女の子の隠したものが見つからない。
少女は教官と他の子どもたちと一緒に探した。
女の子の隠した大事なものは見つからなかった。
何日も経って、何日も経った頃に、女の子は其処へと戻ってきた。
まるで夢から醒めたような目をして、女の子は男の子に言うのだ。
「お前が取ったな!」
監禁されているはずの女の子は右手に大きなナイフを持ち、子どもたちに突き立てた。その中には女の子が好きだったはずの男の子もいた。
同じ部屋で勉学をした学友を真っ赤にした後で、女の子は少女に向かって笑いかけた。
「おまじない、叶ったよ」
女の子の左手にはあるはずの指が二本消えていた。
彼女は大事な指を二本も使っておまじないをしたのだ。
笑う女の子は以前と同じだった。
以前と同じように狂っていた。
女の子は壊れていなかった。変わってもいなかった。最初から狂っていたのだ。
ただ少女が知らなかった。それだけである。
少女は願った。彼女とずっと親友でいられるように、と。
女の子は再び姿を消した。
彼女の机の裏からと、彼女がよく弾いていたピアノのイスの裏から、細い指の入った小さな箱を少女は見つけた。
焼いてしまえと教官は言った。
その教官はナイフを体に突き立てられた姿で次の日に見つかった。
それは禁じられたおまじないだったのだ。
女の子は見つからなかった。
少女は小さな二つの箱を何処かへ隠しながら、女の子のあの狂った笑顔を思い出す。彼女にとっては愛しい親友の思い出なのだ。
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