第二話 新たなる世界

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 「わっ、若旦那!!  魔物……魔物でっせ!!」  「何……! 魔物……!?」  馬車の行く手を阻んで現れたのは、二匹のオーク。  オーク達も人間と共通の言語を用いているのか、彼等の話し声も聞き取れる。  「兄者! 行商人の馬車がいるよ!」  「でかしたぞ弟! あの馬を殺して肉を喰らい、馬車の荷物を略奪しようではないか!」  あまりにも露骨で単純明快な会話の内容だが、行商人の装備は護身用に携帯している果物ナイフ。  ケイは"どうせここら辺は魔物が少ないから襲ってこない"と過信して、父から貰ったマスケット銃を実家に置いてきてしまった。  対して、兄者と呼ばれたオークは弓矢。  弟らしきオークは槍を持っていた。  「ひぃぃっ! お助けをぉぉ!」  行商人は怖じ気づき、頭を抱えて踞ってしまった。  「何やってんだよおっさん!  ああ、もう……クソが!」  痺れを切らしたケイは馬車から飛び降り、落ちていた石ころを握り、大きく振りかぶってオーク目掛けて投げつける。  豪速球……ならぬ豪速石は兄オークの頭に渋い音を立てて当たる。  
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