第二話 新たなる世界

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 「"ISUZU"………読めるぞ。  これ、ローマっていう別の世界の文字で、"い·す·ず"って書いてある」  白い金属の塊を目の前に、ハッと何かを思い出した様に、瞳を大きくしている青年の姿が。  その青年こそ、ケイだった。  「ギールのぼっちゃん、何でこれが読めるんだい?」  「分からない………だが、どこかでこれを見たことがある気がする。  だが、この文字がこの塊の名前じゃない……」  ケイは銀メッキの彫刻に触れながら、額をガラスにくっつける。  「………ISUZUっていうのは職人達が集まって、これを作った集団の名前だ。  だけど、確か"愛称"みたいなものがあった筈………」  白い金属の塊の後ろに鎮座する鉄の腕。  その腕の肩と思われる部分に、椅子と六本のレバーが付いている。  鉄箱の片側には梯子(はしご)。  「妙に見覚えがある……  どこかでこの梯子を登って、その腕の椅子に座った気がする。  コイツの名前は確か………」      
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