第二話 新たなる世界

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 無気力な笑みと共に、彼は鍵のキーロックボタンを悪戯に押す。  …………すると、先ほど炭鉱で光った時のようにまたもや鍵が目映く輝きだした。  ベッドの上で慌てふためくケイ。  「えっ、ちょっと! ここで光るの!?  ヤバイって、鍵が光ったって事は………  今度は鍵がヒアブの姿に戻るって事じゃね!?」  全長十五メートル。空ですら重量は十六トン以上。  そんな巨大なものが彼の自室である二階で突如現れてしまったら、家は全壊して家族全員が死ぬに違いない。  そう思った矢先…………  鍵は空中で人間のシルエットを写し、ベッドの上で彼に覆い被さるように落下する。  「痛ってぇ!」  「うわっ! えっ、ガチ焦った~  あ、おつまるー」  ケイの身体に覆い被さったそれは、ウグイスのような黄色い声を発する。  彼が感じ取った感触は、まるで雲を掴んだ様にふわりと柔らかな感触。  柑橘系の酸味と甘味の溢れる香りが鼻いっぱいに広がる。  
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