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ケイの問いに、ヒアブは両手を合わせて親切に答えた。
「ケイくん理解力マジ高過ぎ晋作ぅー。
それな。よかったねー、さっき鍵のロックボタン押したじゃん。
あれ解除ボタン押してたらウチ、トラックになってたよ」
「えっ? マジ!?」
「マ。やばいっしょw」
ヤバイどころの騒ぎじゃない。
ケイは姉である芹香から冥土の世界で言われたことを思いだす。
"転生先で死んだら、もう二度と生き返れない"
容易に鍵のボタンを押した事に恐怖を覚えたケイは冷や汗が止まらなかった。
もしも鍵の解除ボタンを押して再びトラックの姿で目の前に現れたら、どうなっていたのだろう、と。
家の倒壊は免れず、下の階で寝ている両親の真上に大型トラックが二階から降ってくるという何ともシュールで恐ろしい結末が待っていたに違いない。
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