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改めて彼は、明日から隣街ノーツクの工房で馬車の修理工として出稼ぎで働きに行くことを伝え、ヒアブがこれからどうするのか問う。
しかしヒアブは首を傾げて悩み、一向に答えが出ることがなかった。
「あー、ね。ウチかー……
特に何も無いかな。だってケイくん、ウチの事乗り出して二ヶ月で死んじゃったじゃん。
転生したらまた乗り出したいって言ったのケイくんだし……ケイくん次第じゃね?
まー、ウチとしてはもっと乗って貰って、運転とか、ヒアブの操作とか慣れて欲しいかな~」
ヒアブの返答は焦れったい。
特に明確な目標も無く、希望もケイに委ねる。
後先が思いやられる、とケイは頭を抱えた。
「ケイくん、切羽つまることないっしょ。
18年間こっちの世界で生きてきてブランクあるんだし、ケイくんがやりたいことやれば良んじゃね?
だって、これはケイくんの人生じゃん」
聞こえだけで云えば人任せなヒアブだが、どこか達観した論点を持っていた。
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