7人が本棚に入れています
本棚に追加
痛烈な事故の衝撃の後、目を覚ましたのは病室………ではなく。
吹雪だった筈の天候は、雲ひとつ無い青空。
マイナス二十度以下の中で運転していた筈だったが、目覚めたこの場所は温かく心地が良い。
青空の下、眼下に広がるのは緑に息吹く山々と、巨大な湖。
波もとても穏やかで、水面に青空を写している。
これは、ひょっとして走馬灯か何かだろうか?
死後や冥土といった言葉を思い浮かべるなら、"三途の川"というものを一般的に連想するだろう。
しかしここは、そういったものは人間の先入観だろうとつくづく思わされる程、心地の良い場所だった。
最初のコメントを投稿しよう!