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昨今では魔王軍と人類の世界中の国々が激しくぶつかり合う激動の一向を辿る情勢だ。
市国として独立しているノーツクの街に、魔王軍の差し金がいつ攻めてくるのか、他の国が魔物から虐殺や略奪、貧困で苦しんでいる情報を読み取れば明日は我が身である。
ドルトはフと、ヒアブの方に眼を向けた。
彼女はケイとドルトのやり取りを、きょとんとした眼を向けて愛らしい表情で見つめている。
ヒアブの余りにも端正で幼げな表情は、ドルトを惹いて赤面させる。
「ケイ、そちらのお美しいお嬢さんは?
いつの間にガールフレンドが居たのか。
しかし見慣れない顔と装いだな。
俺も村の出だが、こんな子は居ただろうか?」
ドルトの不意な問いにケイは冷や汗が出る。
しかしヒアブが、臨機応変に対応した。
「あー、ウチ? ケイくんの従妹。
古くからケイくんと付き合いあるんよー。
ウチ、ヒアブって言いまーす。よろー」
この気だるい口調はどうにかならないものか。
黙っていれば、どこか確執高い名家の娘に見えなくもない程、気品に満ち溢れた美少女なのに。
いざ話すと、現実世界でいうギャルなのだ。
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