第二話 新たなる世界

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 しかし、ギャルの話し言葉に気もくれず、うっとりとした顔でドルトは挨拶をかわす。  「申し遅れた。  私はノーツク市国第六近衛団、警邏(けいら)部隊所属、第四小隊班長のドルト·グラスであります」  「あー、ね。  ウチ、いすず·ヒアブ。とりま、よろです」  抑揚の無い口調と裏腹に、清々しい微笑みでドルトと挨拶をかわすヒアブ。  ケイと古くからの顔馴染みである事と、ヒアブがケイの従妹であると信じたドルトは、気兼ね無く門を開け、彼らを街へ通した。  ………その一連の様子を、藪の中から隠れながら遠巻きで見ているものが居た。  黒いマントを被り、眼が怪しく光る集団。  「……先ほど、強大な魔力を感じて駆け付けてみたが、二匹のオークを一瞬で倒してしまうとは………  一体何者なのだろうか。  これはもしや、我々の脅威となる存在になりうるかもしれん」  「排除致しますか?」  「まだだ。暫く泳がせておけ。  たかがオーク二匹だが、あの少女が戦闘時に発した魔力の強大さは、未だ計り知れていない。  奴らの行動を監視し、我々に危害が加わるのであれば排除しよう。  ……しかし、あの莫大な魔力を秘めた少女……上手く行けば我々の手下にしたいものだな。  魔王様に報告しておけ。  奴らはノーツクの街に入った、とな」  「御意」  
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